ごあいさつ

なぜ在庫の仕事を選んだのか

在庫は、簡単そうで難しい。

私は調達部門にいたとき、営業と経理(経営)の板挟みにあい、もどかしい思いを何度もしました。毎年、決算の時期が憂鬱でしかたありませんでした。経理担当の人に「なんでこんなに在庫が増えているの?」「在庫はお金だってわかってる?」と言われても、「じゃあ自分でやってみろよ」とは言えずに飲み込んでいました。

他の部署から見ると、発注在庫管理は売れる分だけ発注すればよいだけの、簡単な仕事に見えてしまいます。しかし、発注のタイミングと量を具体的に決めようとすると、一気に難しくなります。そのタイミングと量が正しいことを、説明できないのです。結局、欠品のほうが重大な問題になるからと、なんとなく早め・多めに発注していました。

世の中に解決策は存在する

よく考えてみると、在庫に困っているのは他の会社も同じはずで、何か解決策があるはずだと思いました。調べてみると、世の中には在庫管理理論があり、適正在庫という考え方があることが分かりました。この考え方を適用すればよいだけだと分かり、夢中になって提案書を作成しました。

理解されない苦労と使ってもらえない苦労

提案書だけではピンとこないため、プログラムが得意な人にお願いして、プロトタイプを作ってもらいました。商品ごとに自動で発注点を振り、発注点割れを出して、発注のタイミングを教えてくれるものです。これに従って発注を繰り返すと在庫は適正在庫に近づき、過剰と欠品を確率で説明できるようになります。
この正しさを示すには、現場で使ってもらうしかありません。しかし、なかなか理解してもらえず、使ってもらえませんでした。

根気よく啓蒙活動を続ける

全体の会議でプロトタイプを説明し、各支店を訪問して説得して回りました。2年かけて徐々に浸透し、3年目には8割の人が使ってくれるようになりました。若手を中心に改善案が出て、プロトタイプはより使いやすいものになっていきました。
在庫金額は思ったほど減らなかったものの、決算のときに説明できるようになり、清々しい気持ちになりました。プロトタイプは好評だったため基幹システムに昇格し、今では全員が使うシステムになっています。

同じ板挟みにいる方へ

適正在庫はあります。データが整備できていなくても構いません。一緒に適正在庫の計画を立ててみませんか。それによって増えた現金をより良いところに配分し、成長していきましょう。

うちけん中小企業診断士事務所
代表 うちけん